出雲大社の大屋根姿を現す。

出雲大社におまつりします大國主大神(おおくにぬしのおおかみ=だいこくさま)様は、「和譲」の御神徳で国づくりをなされた国土を御皇室の御祖先に奉還―国譲りなされて奇しき御神業を成し顕され〝しあわせの平和〟を導かれて、目には見えない神事(かみごと)の世界を治められる幽冥(神事)主宰大神(かくりごとしろしめすおおかみ)として、出雲大社にお鎮まりになり、生死ひとつながらに私どもをお守りいただいています。この御神業のことは、皇后陛下の「出雲大社に詣でて」と御題なされた「国譲り 祀られましし 大神の 奇しき御業を 偲びて止まず」との御歌の如く、永く〝御皇室の祈り〟となされておいでのことが拝されます。

 御祭神の大國主大神様のお住まいの御本殿は古くより「天下無双の大廈(たいか)」と称えられますが、平成12年の境内の八足門(やつあしもん)前での巨大な御柱の顕現によって、語り継がれた往昔の高さ16丈の〝天下無双〟の御本殿が明らかとなりました。現在の国宝御本殿は、延享元年(1744)に御遷宮御造営され、以来、文化6年(1809)、明治14年(1881)、昭和28年(1953)と3度にわたり御遷宮御修造がお仕え継がれてきました。そして、このたび、「平成の御遷宮」をお仕え継ぎいたします。

 平成20年4月20日には大國主大神様を仮のお住まいの御仮殿(現拝殿)にお遷し申し上げる「仮殿遷座祭」をお仕えいたし、御修造がととのいます平成25年5月にはもとの御本殿にお還りいただきます「本殿遷座祭」をお仕えいたします。また御修造は、御本殿のみならず、境内境外の摂社・末社等も、御本殿御修造に併行して、またその後の平成28年に至る間、お仕えさせていただきます。

6月上旬には、足場を含めて素屋根が完全に撤去されます。

 

出雲大社本殿姿を現す。