元亀3年?(1572年) – 没年不詳)は、歌舞伎の創始者といわれる安土桃山時代の女性芸能者。
伝承によれば、出雲国松江の鍛冶中村三右衛門の娘で、出雲大社の巫女になり、文禄年間に出雲大社勧進のため諸国を巡回したところ評判となったといわれています。
阿国に関する史料は次のようなものがあります。
『多聞院日記』天正10年5月(1582年6月):「加賀国八歳十一歳の童」が春日大社で「ややこ踊り」を行ったという記事があります。
それは「於若宮拜屋加賀國八歳十一歳ノヤヤコヲトリト云法樂在之カヽヲトリトモ云一段イタヰケニ面白云々各群集了」というもの。
これを8歳の加賀、11歳の国という二人の名前と解釈し、逆算して阿国を1572年生まれとするのが通説化しています。
加賀出身の8歳・11歳の娘という解釈もあります。
確実な資料では『時慶卿記』に慶長5年7月1日条に(1600年8月9日)、京都近衛殿や御所で雲州(出雲)のクニと菊の2人が「ややこ踊り」を演じたという記録があり
ここでクニと名乗っていたことがわかります。
『時慶卿記』より遡るものとして次の記録があり、これらも阿国を指す可能性があります。
『御湯殿の上日記』天正9年9月(1581年10月):御所で「ややこ踊り」が演じられ。
『言継卿記』天正15年2月(1588年3月):出雲大社の巫女が京都で舞を踊ったそうです。

 

 

 

 

 

 

出雲 阿国(いずもの おくに)