平安時代から継承され、国の重要無形民俗文化財に指定されている貴重な伝統芸能です。
毎年弘法大師の命日にあたる4月21日、隠岐国分寺本堂前庭の特設舞台で奉納されていますが、惜しくも2007年2月、
隠岐国分寺本堂で起きた火災により面・衣裳・道具一式を焼失しました。
 しかし、2007年11月にはすべてを復元することができ、それを祝う「隠岐国分寺蓮華会舞 復興記念公演」が2008年3月に開催されました。
 独特の舞楽と仮面で有名な隠岐国分寺蓮華会舞(おきこくぶんじれんげえまい)。この舞は、奈良時代以来、宮廷で行われるようになった宮廷舞楽の流れをくんでおり、
平安のころ隠岐に伝えられたようです。古代の宗教儀式の様子を色濃く残していると言われ、その起源としてインド、中国、朝鮮半島と広くアジア各地の舞踊が考えられています。
使用される面や衣装もエキゾチックな雰囲気が漂い、国際色が豊かです。

 舞台は、二人の子どもが菩薩の面をつけて眠りだす「眠り仏」で幕を開け、頭に角を持つ「獅子(しし)」、少年の剣舞「太平楽(たいへいらく)」、
素朴な農作業のしぐさがユーモラスな「麦焼き」、昇龍(しょうりゅう)の面を付け飛び上がったり滑稽にふるまう「龍王(りゅうおう)」、
田楽風の「山神貴徳(さんじんきとく)」と続き、優美な衣装で静かに舞う「仏舞(ほとけまい)」で幕を閉じます。

 

 

「隠岐国分寺蓮華会舞」(おきこくぶんじれんげまい)