国譲りのとき2隻の諸手船に使いの神が乗り、美保関に住む事代主命のもとに意見を聞きに来る様を再現したものです。 使神に扮して諸手船に乗船する18人の舵子は、乗船資格のある約70名の当屋を終えた者(当屋を一年間務めた者)の中から神籤により決定されます。 祭り当日、裃姿で美保神社拝殿で神籤を待つ約70名の乗船資格者を前にして、宮司は一枚一枚神籤の名前を読み上げる。 その都度、乗船の際着用する布衣を交付するが、乗船しようとする者は神籤の名前が自分であろうが、他人であろうが、その布衣を取り、拝殿の外へ出る。 この布衣を手にし、拝殿の外へ出た者が実際の乗船資格を得ることになっている。当日必ず乗船しようとする者と神籤の名前を守り自分が乗船しようとする者、 またそれを応援する者達が紋附、裃姿で布衣を奪い合い騒然となる様は、この神事ならではのことです。 乗船資格を得た18名の舵子は裸に等しい布衣を着し、2隻の諸手船に9名ずつ分乗して美保神社の対岸にある出雲大社の御祭神大国主命をお祀りする客人神社の下まで行く。 ここから美保神社の浜まで「ヤーヤ、ヤーヤ」と掛け声も勇ましく、冬の海上を水しぶきを上げながら漕ぎ競う様は豪壮の一言に尽きる海上神事である。別名「ヤーヤ祭り」とも言われています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

諸手船神事