「スサノオの神やらひ」

追放命令を受けたスサノオは、国を出る前に姉のアマテラスに挨拶に行きます。
ところが、どう間違えたのかアマテラスは、スサノオが高天原を乗っ取りにきたと誤解し、臨戦態勢で待ち構えます。

天上界を委任された神様なのに、実に人間っぽいですね。

「二神の誓約生み」

誤解を解くため、二人は高天原の天の安河を間にして、誓約(予想した結果が出るかどうかで判断する裁判)を行います。
まずアマテラスがスサノオの十拳の剣を三つに折り、天の真名井の水で濯いで噛み砕き吹き出すと、タギリ姫、イチキシマ姫、タキツ姫の三柱の女神
が生まれました。この三柱は宗像の三姫です。
次にスサノオがアマテラスの飾り物を濯いで噛み砕き吹き出すと、アメノホシホミミ、アメノホヒ、アマツヒコネ、イキツヒコネ、クマノクスヒの五柱の男神が
生まれました。

長男アメノホシホミミは皇室の祖神、次男アメノホヒは出雲系諸氏族の祖神です。
天の真名井と称される泉は全国にありますが、鳥取県米子市淀江町にもあります。

「天の石屋戸」

スサノオは、自分の持ち物から女神が生まれた事で身の潔白証明されたと羽目を外し、ついにはアマテラスの機織女の死亡事故にまで発展します。
恐れをなしたアマテラスは天の石屋に立て籠もり、世の中が闇に覆われます。こうなると邪神が騒ぎ、あらゆる禍が発生します。
困り果てた高天原の神々は会議を開き、石屋の前で飲めや歌えの大宴会を開くことにしました。
宴たけなわとなった頃、アメノウズメが伏せた桶の上で恍惚のストリップを演じました。これが大受けで、八百万の神々は大歓声をあげます。

石屋の中でこの歓声を聞いたアマテラスは、外を覗いて尋ねます。
「私が隠れて世の中は真っ暗なはずなのに、みんなが浮かれているのはなぜ?」
すると踊っていたウズメが「あなたに勝る神様が現れました」と答え、傍らの神が八たの鏡を差し出します。鏡を見ようと身を乗り出したアマテラスを
タチ`カラオが外に引っ張り出し、石屋の前に注連縄を張って戻れないようにします。
これにより世界に光が戻り、スサノオは高天原から追放されます。






アマテラスとスサノオ~天上界が舞台~