高天原を追放されたスサノオは、出雲の國の肥の河の上流の鳥髪ち(船通山)に降り立ちます。その位置は、黄泉比良坂から真南に直線距離で30㎞の地点、徒歩で一日以内のところです。つまり伊賦夜坂をどんどん南に登った、一番高いところが、鳥髪なのです。山の頂が鳥取・島根の境界になっており、住所も登山道も両県にそれぞれあります。

A船通山(島根県仁多郡奥出雲町竹崎)

(鳥取県日野郡日南町上萩山)  ー標高1.114メートルー)

この辺りでは一番高い山で、山頂から見ますとすべてが眼下に広がっているように思えます。北東の方角には更に高い大山(標高1.711メートル)
があるのですが、天候によっては見えません。山頂から足下に広がる出雲の國を見下ろすと、スサノオが降り立った地として伝えられたことに何となく納得してしまいます。

北の眼下に伊賦夜坂があり、その先の山並みの向こうに千酌があるはずです。

古事記と船通山は切っても切れない関係ですので、ご自身の目で山頂からスサノオの支配地をご覧になることをお勧めします。
その場合宿泊地がどこであっても、船通山登山だけでも丸一日、是非ゆったりと時間をとってお出かけになるのが良いでしょう。
ここでの時間行程は、鳥取・島根いずれの登山道からでも登りに1時間30分、山頂で30分、下りに1時間の合計3時間はかかると思います。
景色を楽しみながらゆっくりと歩きますと、4時間はかかります。
登山道は整備されていますが、急な石段ですから、長い杖をお持ちになることをお勧めします。
船通山周辺には商店がありませんので水は十分お持ちください。また、出発時間によっては、お弁当をお持ちになることをお勧めします。
(島根県側の登山口には斐乃上温泉があり、そこで調達できます。



アマテラスとスサノオ~八俣の大蛇編~