鑚火祭の中でも亀太夫神事と呼ばれる神事は、他では見られない変わった神事です。
出雲大社側が新米で作った1㍍位の神餅を持参して収めようとします。そこに、亀太夫という熊野大社の社人
が現れ、餅の出来映えについて「色が黒く粒々が入っていてひび割れがしているので、ツキ直して下さい」
という決まり文句に端を発し、やかましく苦情、要求を申し立てます。出雲大社側は黙って亀太夫の苦情を拝聴するだけで、
亀太夫も苦情を言い終えるとその後ようやく納得し、熊野大社の神職が神餅を受け取り、宮司に手渡します。
そして宮司により神前にお供えし、臼と杵を出雲大社側に渡します。その後出雲國造が「百番の舞」を奉納し祭りが終わります。
出雲では、口うるさい人を「亀太夫」と呼んでいます。
天穂日命を祖とする出雲國造が奉斉する熊野の穀神。出雲大社との深い関わりがうかがい知ることが出来る興味深いお祭りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亀太夫神事