(北野天満宮)

 

霊魂・御魂というのは、様々な「働き」をします。「荒魂」の働きの一つ「祟り」、死後の人間の霊魂による祟り
に注目してみたいと思います。歴史には権力闘争が渦巻いています。戦闘が繰り返され、陰謀や裏切りがあります。
志半ばの非業の死、戦いによる絶命、失意の憤死など数えきれません。その結果、世間に祟って、現在まで語り継がれる
人物も沢山います。神道の人間観から言えば、人にも霊魂があります。人は、神と同様の「働き」をします。
神道思想家、吉川惟足は、死後の霊魂は日之少宮に永遠に留まって神の天地造化を助けるといっています。
本居宣長も、死後の霊魂は、一部はこの世に留まり、神霊と同じく世の人々の幸福を支援するといっています。神霊の
要素には、勇猛ではあるが世の天変地異や不幸を招く働きもあります。「荒魂」です。人間の霊魂も「荒魂」の働きを
するときもあります。特に、恨みを持って死ねば、荒ぶり、祟り、世の中に不幸をもたらす蓋然性は低くないのです。
そこで古代人は死後の霊魂(御魂)を神として盛んに祀りました。「荒魂」を沈め祟りは鎮めて欲しい。出来ることなら
「和魂」となって人々を守護し、幸福をもたらして欲しいと願ったことでしょう。「御霊信仰」という考え方が登場します。

 

 

何故、祟りが起こるのか?