富有の原産地は、現在の岐阜県本巣郡巣南町居倉といわれています。1857(安政4年)に小倉初衛さんが初めて栽培した柿がすばらしく、
その土地名にちなんで居倉御所と呼ばれていましたが、同じ村落の福島才治さんが自家の柿に接ぎ木して見事な柿を実らせました。
福島さんは当時、盛んに開かれていた品評会で、新品種として世に問うことを考え、「福寿」「富有」のいずれがいいか迷った末、古典『礼設』中にある「富有四海之内」
の言葉を採用して「富有」と命名しました。名声があまねく天下に広がることを願ったものでしたが、見事出品した1898年(明治31年)の柿品評会では一等賞を受けました。
それからの活躍は皆さん、ご存じの通りです。甘柿全体では11万686t生産されていますが、そのうち富有柿が60%を占め、南は九州から北は新潟県まで広い地域にわたって
「甘柿の王様」に君臨しています。ここ出雲市平田町でも盛んに栽培されています。柿のサラダや天ぷらなどいろいろな調理法があります。

 

 

 

 

 

 

 

富有(ふゆう)柿