「出雲新風土記」に記載されている地伝酒の仕込配合をみると、日本で最初の酒造りの文献と言われている平安初期の律令の法典「延喜式(えんぎしき)」(927)に出てくる
「御井酒」の配合とよく似ています。地伝酒の起源は不明ですが、名称の通り出雲地方に古くから製法が伝えられてきた独特のお酒で、
いわゆる地伝酒のルーツといえるものが御井酒ではないかといわれています。「出雲新風土記」によると「地伝酒の辛灰投入前の醪は味が濃厚甘美で、
いかにも噛んで造ったという太古の酒を想わすものがある」と書いてあります。
 実際に御井酒を見てみると、やや薄い金色を帯びた強い甘味とさわやかな酸味があります。甘口のワインのようで、デザートワインのような飲み方がよいと思われます。
 麹でうるち米、蒸米、糯米を使い、仕込水は普通の清酒の半分で、いわばぜいたくな酒です。当時の宮中行事に使われ、貴族たちが愛飲していたという。
口のこえた現代人にも食前酒や食後酒としても受けそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地伝酒ののルーツは、御井酒